『Eye Love You』の深みのある演出にハマる
本作の演出には、何度も泣かされてきた。第5話、「ずっと好きだった」と心のなかでつぶやいた花岡の言葉が、テレパスの能力を持つ侑里に伝わってしまったシーン。第7話では、テオが心の声をわざわざ日本語に言い換える場面もあった。
ここで私たちは、「テオ、もしかして侑里の能力を知っているんじゃない?」と察することになるのだが、『Eye Love You』にはこういった深みのある演出が多く登場する。
キャスト陣の演技はもちろんだが、緻密な脚本に、ドラマティックな美しい演出。Omoinotakeが歌う主題歌「幾億光年」が流れるタイミングなど、すべての要素がカチッとハマったからこそ、熱狂的なファンを生み出せたのだと思う。
そして第9話でも、ふたたび演出に泣かされることになった。侑里は、テオが言った「가지 마(カジマ)」という言葉の意味を理解できないまま、部屋を出る。ひとりになってから、翻訳アプリに「カジマ」と吹き込むと、画面に「行かないで」と映し出される。
時間差でやってくる切なさに涙が止まらないときに、追い打ちをかけるように流れる主題歌。<もう一度さ 声を聞かせてよ>というフレーズが、テオの気持ちにリンクしているようで、胸が苦しくなる。侑里とテオは相思相愛だ。それなのに、どうしてこんな運命に翻弄されなければならないのだろう。
一度は振り返ったものの、前を向き歩き出した侑里。しかし、その後ろからバイクが猛スピードでやってくる。「侑里さん!」という声がして振り返ると、走ってきたのは必死な形相のテオ。最終回の予告では、テオが侑里を守って倒れているシーンが映し出されていた。
この2人は、ハナと同じ結末を辿ってしまうのだろうか。もう一度、テオが笑いながら「侑里さん、愛してまーす」と言っている姿が見たい。過酷な運命なんて、愛の力で蹴散らしてくれ……と願ってしまう。
(文・菜本かな)
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