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井浦新と三浦翔平
『おっさんずラブ』での上司と部下から父と息子へ

『光る君へ』第13話より ©NHK
光る君へ第13話より ©NHK

一方、自身の後継に道隆を指名した兼家に「この老いぼれが…とっとと死ね!」と吐き捨てた道兼。反抗期の子供みたいな暴言に笑うところではないのかもしれないが、思わず吹き出してしまった。

兼家の死後も喪に服すことなく、女中たちとどんちゃん騒ぎ。結局、妻と娘にも見放され、一人ぼっちに。完全に自業自得だけど、その哀愁漂う後ろ姿を見ているとなんだか気の毒に思えてきた。道兼の描き方には、どこか愛あるいじりを感じるのは筆者だけだろうか。

かたや兄である道隆は独裁を始め、露骨に身内を贔屓する。摂政になって初めての公卿会議で蔵人頭に任命した伊周をお披露目した道隆。「蔵人頭、参れ!」という一条天皇(柊木陽太)の宣言とともに公卿たちの前に現れた伊周は17歳とは思えないほど落ち着き払っている。その顔や佇まいが父・道隆とそっくりで驚いてしまった。

この間まで『おっさんずラブ-リターンズ-』(テレビ朝日系)で井浦新演じる和泉を、切ない恋心を滲ませる子犬のような瞳で見つめていたというのに。上司と部下から、父と息子へ。役柄は大きく変化しているが、井浦新と三浦翔平が交わす芝居には、二人だけにしかわからない阿吽の呼吸があるように見える。息の合ったやりとりをもう少し見ていたい気もするが、安倍晴明の宣告通り、道隆の治世も長くは続かない。暴走を極める道隆、その最期はどのように描かれるのだろうか。

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