ききょうの振る舞いにまひろもたじたじ
第14話は、まひろとききょうのやりとりも印象的だった。伊周の伴侶選びのための和歌の会に招待された2人。彼女たちが呼ばれたのは道隆の妻・貴子(板谷由夏)の提案によるものだった。「わたくしたちは賑やかしですのよ、あほらしい」と、まひろ以外の人にも聞こえるような声で言い放つききょう。
さらには和歌の会に現れた伊周の妻候補たちについて、「よりよき婿を取ることしか考えられず、志を持たず、己を磨かず、退屈な暮らしもそうと気づく力もないような姫たち」と毒舌を炸裂する。そんな物怖じしないききょうの振る舞いに、まひろも少々引き気味だ。
一方で、ききょうはまひろのことに一目置いているように見える。文字が読めない人を少しでも減らしたいというまひろの志に関しては理解できないようだが、少なくとも男性の力に頼らず、己の力で道を切り開いていく同志と思っているのではないだろうか。
「私は私のために生きたいのです。広く世の中を知り、己のために生きることが、他の人の役にも立つような。そんな道を見つけいのです」
自己愛の中に確固たる信念がある。そんなききょうは愛すべきキャラクターだ。紫式部と清少納言はライバル関係にあったそうだが、本作における2人の関係はどうなっていくのか。引き続き注目していきたい。
(文・苫とり子)
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