胡散臭いけど憎めない…松下洸平演じる“周明”の不思議な吸引力とは? NHK大河ドラマ『光る君へ』第23話考察レビュー
text by 苫とり子
吉高由里子が主演を務める大河ドラマ『光る君へ』(NHK総合)。平安時代中期を舞台に紫式部の生涯を描く。まひろは父・為時と共に越前の地へと到着するが、為時は多忙にあけくれて倒れてしまう。父の治療のために現れた薬師は、敦賀で出会った周明だった…。今回は、第22話の物語を振り返るレビューをお届けする。(文・苫とり子)
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【著者プロフィール:苫とり子】
1995年、岡山県生まれ。東京在住。演劇経験を活かし、エンタメライターとしてReal Sound、WEBザテレビジョン、シネマズプラス等にコラムやインタビュー記事を寄稿している。
周明の正体が明らかに
松原客館の通詞・三国若麻呂(安井順平)が何者かに殺害された。越前国府の役人である源光雅(玉置孝匡)や大野(徳井優)らは、宋からきた商人・朱仁聡(浩歌)を捕らえる。
しかし、薬師の周明(松下洸平)が朱の無実を主張。さらに証人として連れてきた下人が、真実を語る。三国の死は越前国武生の商人・早成(金子岳憲)と揉めた末の事故だったが、その現場を目撃した下人に光雅(玉置孝匡)が嘘の証言をするように脅したのだ。
ほどなくして解放された朱は、為時(岸谷五朗)に越前に来た本当の狙いを語り出す。光雅が疑っていたように、朱たちは宋の朝廷から越前を足掛かりに日本との貿易を図るよう命じられていた。力を貸してほしいと頼まれた為時が葛藤する一方で、まひろ(吉高由里子)は周明と距離を縮めていく。
周明がまひろに宋の言葉を教える形で心を通わせていく2人。そんな中、越前にやってきたのは宣孝(佐々木蔵之介)だ。越前でのひと時を過ごした宣孝は都に帰る直前、「わしの妻になれ」とまひろに求婚するのだった。