町田啓太“公任”に首ったけ…なぜ大石静の描く男性は魅力的なのか? NHK大河ドラマ『光る君へ』第3話考察。感想レビュー
吉高由里子が主演を務める大河ドラマ『光る君へ』(NHK総合)。平安時代中期を舞台に紫式部の生涯を描く本作。今回は、まひろ(吉高由里子)と源倫子(黒木華)の気まずい出会いや、道長(柄本佑)ら幼なじみ男子3人の微笑ましい関係が話題となった第3話のレビューをお届けする。(文・苫とり子)【あらすじ キャスト 解説 考察 評価】
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【著者プロフィール:苫とり子】
1995年、岡山県生まれ。東京在住。演劇経験を活かし、エンタメライターとしてReal Sound、WEBザテレビジョン、シネマズプラス等にコラムやインタビュー記事を寄稿している。
”道長の妻”となる倫子との出会い
父・為時(岸谷五朗)に代筆仕事がバレてしまい、自由に外を出歩けなくなってしまったまひろ。自分のせいで放免に捕らえられた道長(柄本佑)のその後を知るすべもなく、以前よりも不自由な生活を強いられる。
そんな折、まひろは父のすすめで親戚の家でもある左大臣宅で行われる和歌の勉強会に参加することに。そこには左大臣の娘・源倫子(黒木華)ら、まひろと歳近い女性たちが集っていた。いきなり自分たちより身分の低いまひろが現れ、一瞬微妙な空気が流れる中、勉強会が始まる。
そこで行われたのが、漢字の旁(つくり)と偏(へん)をカルタ方式で組み合わせていく平安時代の文字遊び「偏継」だ。まひろは今までこの遊びを知らなかったが、幼い頃から漢詩を嗜んでいた彼女には楽勝。いわば会の顔である倫子に一切忖度することなく、札を次々と取り、周りを唖然とさせる。
だが、さすがは超がつくほどのお嬢様。倫子はあからさまに不機嫌な態度をとることもなく、「すごーい!まひろさんは漢字がお得意なのね」と笑ってみせる。しかしながら、その笑顔がちょっぴり怖い。おそらく本心ではないだろうが、一応客人であるまひろに対する気遣いなのか、はたまた嫌味なのか。現段階では計りかねる絶妙な言い回しだった。
まひろの状況は言うなれば、クラスのカーストで上位に君臨する女子たちの中にいきなり放り込まれてしまった……みたいなシチュエーション。輪の中に入ってみれば、意外と気さくな子たちが多くて、楽しめないことはない。一方で、テンションとノリについていけず、無理に笑顔を作ってしまう、あの感じ。女性ならきっと一度は経験したことがあるだろう。筆者は身に覚えがありすぎて、胃が痛くなりそうだった。
ちなみに、倫子はのちに道長の妻となる女性。まひろとは道長をめぐり火花を散らすのかと思いきや、公式サイトの人物紹介では「不思議な関係が築かれていく」とされている。“不思議な関係”とは何なのか。今後の二人の関わりに注目したい。