道長の友人・公任&斉信も話題に
本作でもその力量が発揮されており、今回は直秀のほか、道長の友人・公任(町田啓太)が女性視聴者の注目をかっさらった。公任は、兼家のライバルである関白の息子。親同士の関係をよそに道長とは気の置けない仲である。容姿端麗で学問にも精通する彼は女性からモテモテ。和歌=ラブレターも多数寄せられているようで、「たまにかわやで落としたりする」と語るのを見るに、あまり誠実さは感じられないが、その余裕感がいい。
また道長、公任と共に青春時代を送る大納言の息子・斉信(金田哲)も注目を集めた。3人の仲良しぶりは見ていて微笑ましいが、この平和な感じがいつまで続くのか。国家を率いてゆくものとしての研鑽を積む彼ら。言ってみれば、今はまだ学生の身分である。間者として左大臣宅に送り込まれたまひろのように大人たちの権力争いに巻き込まれ、彼らの関係が悪い方向に変化しないことを願うばかりだ。
一方、道兼(玉置玲央)は兼家の命令に従い、女官を使って円融天皇(坂東巳之助)の食事に毒を仕込む。次第に身体が弱っていく中で、兼家が擁立する師貞親王(本郷奏多)への譲位についても考え始める帝。だが、彼は扇子を挟んで遊んだり、好色で母親と娘の両方に手をつけたという話を指南役の為時に恥ずかしげもなく語るなど、相当な変わり者である。天皇の側近である実資(秋山竜次)も「おそれながら、師貞親王様が今すぐ次の帝におなりあそばされれば、世は乱れます」と憂う未来は近そうだ。
(文・苫とり子)
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