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見上愛”彰子”の告白がエモい…結ばれた2人に匹敵するもう1つの名場面とは? 大河ドラマ『光る君へ』第35話考察レビュー

text by 苫とり子

吉高由里子が主演を務める大河ドラマ『光る君へ』(NHK総合)。平安時代中期を舞台に紫式部の生涯を描く。「源氏物語」に登場する若紫を自分に重ねる彰子。まひろの後押しにより、一条天皇と彰子が遂に結ばれる…。今回は、第35話の物語を振り返るレビューをお届け。【あらすじ キャスト 解説 考察 評価 レビュー】(文・苫とり子)

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【著者プロフィール:苫とり子】

1995年、岡山県生まれ。東京在住。演劇経験を活かし、エンタメライターとしてReal Sound、WEBザテレビジョン、シネマズプラス等にコラムやインタビュー記事を寄稿している。

一条天皇(塩野瑛久)と中宮・彰子(見上愛)が遂に…。

『光る君へ』第35話より ©NHK
『光る君へ』第35話より ©NHK

『光る君へ』第35回「中宮の涙」。一条天皇(塩野瑛久)と中宮・彰子(見上愛)が長い時を経てついに結ばれたこの回では、様々なエピソードの連なりから物語の果たす役割が浮かび上がってくる。

 彰子の懐妊祈願のため、息子の頼通(渡邊圭祐)らと共に御嶽詣へ向かった道長(柄本佑)。険しい行程と悪天候に悩まされながらも、無事に金峯山参詣を終えて帰路に着く。内裏に戻るや否や、道長は不在の間、まひろ=藤式部(吉高由里子)が書き溜めた物語に目を通した。

 その時、まひろが書いていたのは藤壺の宮が光る君との子を出産した場面。「この不義の話はどういう心づもりで書いたのだ?」という道長の問いかけに、まひろは「わが身に起きたことにございます。わが身に起きたことは全て物語の種にございますれば」とはっきり答える。

 これには鈍感な道長もさすがにまひろの言葉の意味を理解した様子だ。まひろは夫・宣孝(佐々木蔵之介)の足が遠のいていた頃に石山寺で再会した道長と情愛を交わし、賢子を妊娠。宣孝の赦しを得て出産し、道長ものちに賢子と顔を合わせたがまさか自分の子とは露程も思っていなかった。

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