6年前の真実に鳥肌…一族繁栄に努める藤原家の心無き愛情とは? NHK大河ドラマ 『光る君へ』5話考察レビュー
text by 苫とり子
吉高由里子が主演を務める大河ドラマ『光る君へ』(NHK総合)。平安時代中期を舞台に紫式部の生涯を描く本作。まひろ(吉高由里子)が道長(柄本佑)の正体を知り寝込んでしまう。今回は、一族の繁栄のために道具として扱われてしまう藤原家を中心に、第5話を振り返っていきたい。(文・苫とり子)【あらすじ キャスト 解説 考察 評価】
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【著者プロフィール:苫とり子】
1995年、岡山県生まれ。東京在住。演劇経験を活かし、エンタメライターとしてReal Sound、WEBザテレビジョン、シネマズプラス等にコラムやインタビュー記事を寄稿している。
道長の正体を知り、まひろは寝込んでしまう
道長(柄本佑)が右大臣家の子息であり、6年前に母を手にかけた道兼(玉置玲央)の弟であることを知ったまひろ(吉高由里子)。精神的に大きなショックを受けたまひろはその場で意識を失い、寝込んでしまう。
一方、宮中では縁起の良い日に倒れた舞姫がいると噂に。その噂は道長の耳にも入る。そして、それがどうやら為時(岸谷五朗)の娘らしいということを知った道長は「会って話がしたい」とまひろに文を送るのだった。
幼い頃、偶然に巡り合ってから、互いの身分を偽った上で交流を深めてきたまひろと道長。そんな2人が、第5話にして初めて素性を明かした状態で対面を果たす。だが、それは彼らがこれまで通りの関係ではいられなくなることを意味していた。
まひろと道長はどちらも藤原北家と呼ばれる一族の出身だが、両家の家格には天と地ほどの差がある。その上、2人に重くのしかかるのは、道長の兄である道兼がまひろの母・ちはや(国仲涼子)の命を奪ったという事実だ。
あの日、2人は待ち合わせをしていた。しかし、為時の任官が決まり、お礼参りに行かなければならなかったまひろは帰路を急ぎ、あわや道兼の乗る馬と追突。咄嗟に避けようとした道兼は落馬した上、まひろを足蹴にしたことをちはやに咎められ、頭に血が上った末にあの忌々しい出来事が起きた。