スピンオフで明かされた相良の本音

余談だが、ゆくえの妹・このみ(齋藤飛鳥)の視点で描かれるスピンオフドラマ『いちばんすきな花-みんなのほんね-』をご存知だろうか。先日配信された「条件」では、夜々の同僚の相良(泉澤祐樹)が登場している。
本編8話において、夜々の職場の美容室で喫煙中の相良は、谷本に夜々に振られたときの話をしていた。「まだ言うか」と思う反面、スピンオフで明らかになったように、夜々のけなげで、まじめに仕事に取り組む姿勢にも惹かれていたことから、夜々の見た目“だけ”を好きになったわけではないのかもしれない。ちょっとだけ相良を見直し、その倍、やっぱりこの人は好きになれないかも……と再確認させられるスピンオフ、未見の方がいたらぜひチェックしてほしい。
そんな相良が、谷本にそそのかされるまま今夜の予定を聞くも、夜々は気もそぞろ。なんといっても、大好きな“みどちゃん”が会いに来ているから。
再会した瞬間、ハイテンションで抱き合う美鳥と夜々。夜々がいつもよりも無邪気に笑っているように見えた。椿の母に教わったロールキャベツ、夜々にとってのもうひとつの母の味を食卓で囲みながら話す2人。
夜々と一緒にいたころの美鳥は、親戚中をたらい回しにされ、やはり嫌われていた。夜々を除いて。
女の子らしくいることを母から望まれていた夜々に、美鳥は将棋を教える。椿の家での幸せが、息苦しさを感じていただろう夜々に注がれていく。椿から美鳥へ、美鳥から夜々へ。バトンのように受け継がれてきたものの、答え合わせをしているようだ。
しかし、やはり美鳥は、夜々の家にも長くはいられなかった。親も兄弟もいない場所へ、たった1人で帰っていくまだ10代の美鳥は、いったいどんな気持ちだったのか。夜々のいうように、待ってる人もいない、痛いとも思わない場所へ戻ることも「帰る」というのだろうか。帰るって、幸せな意味が含まれているのかも、と気づかされる言葉だった。