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神尾楓珠の表現力に脱帽…美鳥”が生んだ違和感の正体とは? ドラマ『いちばんすきな花』第9話考察&感想レビュー

現在放送中のドラマ『いちばんすきな花』。第9話では、前回に引き続き美鳥ちゃん(田中麗奈)の過去が掘り下げられる。ゆくえたちは個々で美鳥との再会を果たし、いよいよ椿家で“5人”揃って集まることに…。今回は、そんな第9話のレビューをお届けする。(文・あまのさき)【あらすじ キャスト 解説 考察 評価 レビュー】

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【著者プロフィール:あまのさき】

アパレル、広告代理店、エンタメ雑誌の編集などを経験。ドラマや邦画、旅行、スポーツが好き。

4人と知人でありながら
混ざり合うことを拒んだ美鳥

多部未華子『いちばんすきな花』第1話(C)フジテレビ
多部未華子いちばんすきな花第1話Cフジテレビ

先週に続いて、今回も美鳥(田中麗奈)の過去が明らかになった。

小さい頃の夜々に「教えるのが上手」と言われたことがきっかけで、塾講師のアルバイトをしていた美鳥(出口夏希)。彼女は、そこで高校生時代のゆくえ(片岡凜)に出会う。「元ヤンだった」「生徒と付き合っている」など、あることないこと噂され、美鳥は塾でもみんなから嫌われていた。

一体、なぜこの人はここまで人から誤解されてしまうのだろう。笑顔で、面倒見のよさそうな先生に見えるのに。

でもゆくえだけは美鳥を好きで、美鳥を救うみたいな気持ちで、授業終わりに一緒にファミレスへ行ったりしていた。赤田と仲がいいことはおかしいことなのか?など、ゆくえもゆくえで少々人からは理解されづらい部分があるから、よき理解者だったことがうかがえる。

美鳥にもこんな人がいたらよかったのに。2人は根っこの部分でとても似ているようでいて、ゆくえのほうがより輪郭がくっきりしているように感じる。少なくとも、美鳥のような儚さ、気付いたらいなくなってしまいそうな感じはしない。それはきっと10代の頃、こんな風に自分を認めてくれる人がそばにいたからじゃないかと思う。

“今の”人柄よりも、“過去の”噂で人の興味をひいてしまう美鳥。「もっと他人に無関心ならいいのに」という言葉が突き刺さる。案の定というべきか、ある日、急に美鳥はアルバイトを辞めてしまう。ゆくえ以外の生徒たちは「生徒とのことがバレたらしい」なんて噂していたけど、真相はわからない。

誰も自分の本当のことを見ようとしてくれない場所にい続けることは、徐々に空気を奪われていくに等しい。美鳥はきっと、息ができなくなったのだろう。ゆくえの言うように、「逃げて正解」だったと思う。

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