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映画のような美しさ…河合優実”七実”の愛に満ちたセリフとは? NHKドラマ『かぞかぞ』第8話考察レビュー

text by 明日菜子

河合優実主演のNHKドラマ『家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった』が地上波にて放送中。岸田奈美のエッセイを元にした本作は、2023年にNHKBSプレミアム・ NHKBS4Kで放送され大反響を呼んだ。今回は、第8話のレビューをお届け。(文・ 明日菜子)【あらすじ キャスト 解説 考察 評価 レビュー】

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【著者プロフィール:明日菜子】

視聴ドラマは毎クール25本以上のドラマウォッチャー。文春オンライン、Real Sound、マイナビウーマンなどに寄稿。映画ナタリーの座談会企画にも参加。

もう1つの“母と娘の物語”

『家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった』第8話 ©NHK
『家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった』第8話 ©NHK

『家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった』(NHK総合)のテーマは、“家族”という集合体である。しかしながら、その物語は“岸本家”という単位で彼らを一括りには語らない。

 父と娘や母と息子、姉と弟など、家族間における個々の関係性を描くドラマなのだ。母と娘の物語はひとみ(坂井真紀)と七実(河合優実)によって幾度も展開されてきたが、『かぞかぞ』にはもう1つ、芳子(美保純)とひとみによる“母と娘の物語”がある。祖母と母ではなく、あくまでも“母と娘”の物語だ。

 今回放送された第8話では、芳子の若かりし姿が描かれる。美保純と臼田あさ美が交互に紡いだ芳子の人生には、さながら短編映画のような美しさがあった。

 ひとみの大手術は無事に終わったものの、芳子の認知症はどんどん進んでいった。奇行の原因がまさか認知症だなんて思いもしない七実は、芳子に対して、辛辣な態度をとるようになっていた。

「ひょっとして岸本さんアンタ、おばあさんを嫌ってるね?」と小野寺(林遣都)から言われるくらい、祖母へのフラストレーションがたまっていたのだ。

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