同性同士の恋愛の難しさと2人から学ぶ本当の愛
これまでも、パートナーシップ制度やケンジの母親の想いなど、同性同士の恋愛の難しさに触れてきた。
シーズン1でも、ケンジの友人の男性カップルが登場し、弁護士であるシロさんに相談していた。「自分が今死んだとき、遺産は親にいってしまうので、養子縁組をして全額パートナーに相続したい。」と依頼をした。
男女は結婚という法的な関係を結ぶことができるが、同棲同士だと愛し合って一緒にいるのに、法がそれを認めてくれない。そんな生きづらさをひしひしと感じる回であった。
今回もそのことについて2人でしっかり話し合うことになり、シロさんが養子縁組を提案するのだが、1度養子縁組を結ぶと解消しても結婚することはできない。将来男性同士で結婚できる日が来た時の事を考えてケンジは涙ながらに養子縁組を断る。そんな姿を見ると胸が締め付けられる。
シロさんの両親が家を売って、老人ホームを2人で入る事を決める。お金の事を考えてシロさんの自宅より離れた所を選択する。男女の夫婦でも、将来のことで苦労しているのに、シロさんとケンジを始めとした同性同士のカップルの苦労は計り知れない。
最終回のラストではシロさんが、“お前が別の人と付き合うことになっても、お前が幸せならそれでいい”と心の中で呟きケンジの横顔を見ていた時、ケンジが「俺は死んでもシロさんと一緒にいるよ」とシロさんに言った。
様々な苦労にも目をそらさず、しっかり向き合っていく2人の絆は本当に強く、これからも応援していきたい。
(文・會澤奈津美)
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