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最終話の伏線回収が完璧…“くる恋”がこんなにも面白いドラマになったワケ。『くるり~誰が私と恋をした?~』考察レビュー

text by 菜本かな

18日に最終話を迎えた生見愛瑠主演のドラマ『くるり~誰が私と恋をした?~』(TBS系)。記憶喪失となったヒロイン・まことが、手元に残った男性用の指輪を巡り恋の四角関係を繰り広げる。今回は、第10話のレビューとともに最終回目前にして残された謎を考察する。(文・菜本かな)【あらすじ キャスト 解説 評価 感想 レビュー】

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【著者プロフィール:菜本かな】

メディア学科卒のライター。19歳の頃から109ブランドにてアパレル店員を経験。大学時代は学生記者としての活動を行っていた。エンタメとファッションが大好き。

鮮やかな伏線回収と甘々な公太郎
誰もが納得する最終話

『くるり〜誰が私と恋をした?〜』第11話より ©TBS
『くるり〜誰が私と恋をした?〜』第11話より ©TBS

 大きなどんでん返しはない。それでも、初回から散りばめられていたすべての伏線がしっかりと回収されて、誰もが納得するラストを迎えた火曜ドラマ『くるり〜誰が私と恋をした?〜』(TBS系、毎週火曜よる10時)/以下、『くる恋』)最終話。

 最後のレビューになるので、今回はまこと(生見愛瑠)と3人の男性陣の思い出を、じっくり振り返っていきたいと思う。

 まず、最終的にまことと結ばれた公太郎(瀬戸康史)。『くる恋』はラブコメミステリーと謳っていることもあり、もしかすると大どんでん返しが起きるのでは? と思っていたが、序盤からずっと本命候補だった彼が、最後まで1位を走り抜けるあたりが“火10”らしくてホッとした。

 第1話、まことが啖呵を切って仕事を辞めたとき、周囲は「らしくない」と言っていたのに、「らしいじゃん」と笑ってくれた公太郎。正直、この時点で勝負はついていたのかもしれない。

『くる恋』は、記憶を失ったまことが、“本当の自分”を見つけていく物語だ。人はみな社会で生きていくために、それぞれの場所や相手によって自然とちがうキャラクターを使い分けているものだが、特にまことは“演じる”ことに慣れすぎていて、自分というものが分からなくなっていた。

 律(宮世琉弥)と付き合っていたころは、彼が好きそうなファッションに身を包み、大人っぽい自分を演じて、ときには「花が好き」と嘘をついてみたりした。朝日(神尾楓珠)と同じ会社で働いていたころは、誰にでも当たり障りがなく優しい“緒方さん”を演じていた。だから、新しい自分を模索しようとしているまことにとって、公太郎の「らしいじゃん」という言葉が、どれだけ心の支えになったか。

 かつて、「もし、綺麗って思えるようになったら来て。うち、花屋だから」とまことを突き放した公太郎が、「(花好きになれなくても)いいよ。それで。好きになるまで、一緒にいるから」と伝えたのも、鮮やかな伏線回収だった。

 大人なのに、ちょっぴり不器用なところがある可愛い公太郎。しかし、まことと気持ちが通じ合った途端、バックハグをしながら「好きだよ」と耳元で囁くなど、甘々彼氏になるのが尊かった。瀬戸康史のラブコメがもっと観たい! と思った人も多いのではないだろうか。

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