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自作自演が発覚した律

『くるり〜誰が私と恋をした?〜』第2話より ©TBS
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まず、いちばんに疑いの目を向けるべきなのは、律だろう。まこととの運命の出会いが自作自演だったと分かった時点で、彼への信頼はゼロに等しい。それだけでなく、まことと同じ会社で働いていた松永(菊池亜希子)を買収して、まことの様子を逐一報告させていたのだから、ヤバい奴なのは確定だ。

しかも、まことに「わたし、記憶喪失なんです」と告白されたときの返しがあまりにもポップすぎる。「そんなの関係ないよ! 今のあなたを好きになったんだから!」って、飲み込みがはやすぎて怪しい。

ただ、彼が登場すると、あからさまに不穏な空気に包まれるので、「もしかすると、ミスリードなのでは?」とも思えてくる。それに、律の写真フォルダのなかには、勝負服を着たまこととのツーショット(しかも、恋人のように寄り添っていた)が入っているのだ。

ただのストーカーではなく、親密だった時期があったと考えてもいいだろう。SNS上では「合成なのでは?」との声も上がっているが、洋服もまこと自身のものだったので、ここでは本物のツーショットだと仮定する。

自称“運命の人”を名乗っている律だが、実は“元カレ”だったと考えると、すべての辻褄が合わないだろうか。元カレなら、親密なツーショットも持っているだろう。そして、花が苦手なはずのまことが、律の前では好きなふりをしていたのは、彼に恋をしていたから。

律が持っていたバラの花束を抱えて微笑んでいるまことの写真は、付き合っていた頃に撮影されたもの。「花が好き」とか、「子どもが好き」だとか言っていたのは、律にいい子だと思われたくて着飾っていたのだと思う。

律は別れてからもまことのことが忘れられず、松永を利用して復縁のタイミングを探っていた。そこで、まことが記憶喪失だという情報を手に入れて、“出会い直し”を画策したのではないだろうか。だとすれば、すべての記憶がなくなっている今の状況は、律にとってはビックチャンスなのでは?

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