森本慎太郎の役者としての振り幅

SixTONES・森本慎太郎の活躍を待っていた。2023年4月に放送した日テレの大ヒットドラマ『だが、情熱はある』にて山里亮太を演じて以来、ドラマ出演は1年ぶりの森本。

“だが情”の熱演ぶりは凄まじく、早く森本の次回作を見たいと願っていたファンも多いだろう。何を隠そう筆者もそのうちの一人である。

しかし、「だが情」で絶大なインパクトを残したはずの森本慎太郎だったが、ひとつ心残りがあった。「だが情」は、SixTONES・森本慎太郎と、King & Prince・髙橋海人の2人がW主演と銘打ったドラマだった。しかし、なぜか主演は髙橋で、森本は出演扱い…。

SixTONESのレギュラーラジオ「SixTONESのオールナイトニッポンサタデースペシャル」では、本人も思わず悔しい気持ちを吐露する場面もあった。

この扱いにファンも憤りを感じており、この一件もあって、森本には報われてほしかったのだ…。

しかし今回、単独初主演を務めることが決定し、1年前の無念を払拭できる機会がやってきた。

森本慎太郎にかかる重圧は多大なものだろうと推察できるが、蓋を開けてみれば堂々とした佇まいで主人公・正義を演じている。

森本の演技の幅と、ポテンシャルを活かした芝居は見る者の心を打つ何かがある。

共演者も、良いチームワークだ。正義の妻・彩を演じる森川葵も、かわいさと憎たらしさのバランスが良く、視聴者を敵に回さないのが流石である。

さらに何かしてくれそうな期待感を残す竹中直人や、嫌な大人をいやらしく演じてくれる船越英一郎。商店街の会合に出席する皆川猿時も、ワンシーンの出演ながら面白さに拍車をかける。

第1話は、しっかりと置きにいった笑いと、今後につながる謎を視聴者に残した。

第2話もさらに面白くなりそうな予感がしている。

（文・野原まりこ）

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