これからは「悲しんだ数と同じ数の笑顔が必要」
最終回で小津が下す決断は…。
描かれる人々が強さと優しさを秘めているのは、土台に東日本大震災があるからにほかならない。多くの人の心に、決して消すことのできない悲しみを残した震災。
あれから12年の月日が経った。会合で小津は3.11の話題をそらしたが、当事者でない人たちは、なんとなく“触れないほうがいいこと”と思っている節があるのではないだろうか。
でも、現地で暮らしていた平田はいう。これからは「悲しんだ数と同じ数の笑顔が必要」だと。
かつての被災地は、前を向いて歩き出している。いつまでも“被災地・被災者”と呼び、悲しいこととして触れぬようにするのではなく、もっと違うやり方で思いやることもできるはずだ。
仮移住がはじまったとき、メイは福島と自分たちの共通点を“新しいことをはじめること”と表現した。
小津がメイを引き取る期限である1ヶ月を目前にして、メイの引き取り手が決まったと親戚から連絡があり、小津の会社のフルリモート勤務も終わりを迎えようとしている。
ここでの暮らしを通して成長してきた小津は、このまま流れに身を任せてまた元の生活に戻ってしまうのか? どんな答えだったとしても、見守りたい。
(文・あまのさき)
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