こんな青春したかった…”小さい南くん”でしか味わえない八木勇征の魅力とは? ドラマ『南くんが恋人!?』第3話レビュー
text by 西本沙織
飯沼愛主演、八木勇征(FANTASTICS)が出演するドラマ『南くんが恋人!?』(テレビ朝日系)が現在放送中だ。幾度となく映像化を果たした名作『南くんの恋人』が、南くんが手のひらサイズになる男女逆転バージョンとして蘇った。今回は、第3話のレビューをお届けする。(文・西本沙織)【あらすじ キャスト 解説 考察 評価】
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【著者プロフィール:西本沙織】
1992年生まれ、広島在住のライター。会社員として働くかたわら、Web媒体でエンタメに関するコラムやレビュー記事の執筆を行っている。ドラマや映画、マンガなどのエンタメが好き。
小さくなった南くんと“未体験の青春”を実現
ちよみ(飯沼愛)は言う。「守るべきものがあるとさ、人は強くなるのだ」と。南くん(八木勇征)が小さくなってからのちよみは、確かにうんとたくましくなった。大学バスケ部のコーチ・美鈴(武田玲奈)に詰め寄られた時だって、ひるむことなく「私は南くんを信じているので」と言ってのける。南くんの現状に解決策が見つからなくても「楽しいんだよね、この状況」と笑い飛ばす余裕を持っている。
ひねくれた見方かもしれないが、ちよみは南くんをひとり占めできることに優越感を抱いているのだろう。南くんは地元のスターで、嫉妬するのはいつもちよみの方だった。そんな彼が“守られる”立場になり、他の誰でもなく自分を頼ってくれるのだ。ちよみが楽しそうにしているのも頷ける。
2人は幼なじみではあるものの、学年が違うため同じ教室で過ごしたことがないという。同い年なら修学旅行や遠足も一緒、授業中もずっと見ていられるのに。長く一緒にいても、出来なかったことが山ほどある。このイレギュラーな状況は、ちよみにとっていわば“未体験の青春”を実現するボーナスタイムに値するのではないだろうか。