八木勇征の笑顔が儚くも美しい…思わず心を揺さぶられた神シーンとは? ドラマ『南くんが恋人!?』第7話考察レビュー
text by 西本沙織
飯沼愛主演、八木勇征(FANTASTICS)が出演するドラマ『南くんが恋人!?』(テレビ朝日系)が現在放送中だ。幾度となく映像化を果たした名作『南くんの恋人』が、南くんが手のひらサイズになる男女逆転バージョンとして蘇った。今回は、第7話のレビューをお届けする。(文・西本沙織)【あらすじ キャスト 解説 考察 評価】
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【著者プロフィール:西本沙織】
1992年生まれ、広島在住のライター。会社員として働くかたわら、Web媒体でエンタメに関するコラムやレビュー記事の執筆を行っている。ドラマや映画、マンガなどのエンタメが好き。
南くんとの“未来”に思いを馳せるちよみ(飯沼愛)が切ない…。
「俺はもう死んでるんだよ」
ぽつりぽつりと、南くん(八木勇征)は話し始める。自分と同じように事故にあって、小さくなって、そして消えていった早苗(国仲涼子)のことを。
ちよみ(飯沼愛)からすれば、そんな話は到底信じられないし、信じたくもない。心の中は南くんが言った通りなのではないかという気持ちが侵食していくが、口にするのは拒絶の言葉ばかり。だって声に出して認めてしまったら、南くんの言葉が現実になってしまうかもしれないから…。
第7話のはじまりは、そんなちよみの葛藤と恐れがモノローグとして表現されていたのが印象的だった。現実を受け止めきれないちよみに、南くんは少し笑ってみせる。その笑顔は本当に穏やかで、まるですべての覚悟ができているかのようだった。
次の日、南くんはちよみより早く目を覚まし、キスをせがむ。きっと、1分1秒でも2人の時間を無駄にしたくないという気持ちの表れなのだろう。いつもより無邪気に、明るく、おどけて振舞っているが、少し無理しているようにも見える。
一方ちよみは、心ここにあらずだ。まだ夏だというのに、南くんに着せるダッフルコートのデザイン画を描いている。スノーボードウェアにサンタのコスプレ、ウエディングドレスとタキシード。さまざまな衣装に身を包む映像はファッションショーのような華々しさがあったが、ちよみが南くんとの“未来”に思いを馳せているのだと気づくと、切ない気持ちが込み上げてくる。