最も“あざとい”キャラは誰？林遣都の狂犬チワワぶりが最高…ドラマ『おっさんずラブ-リターンズ-』第5話考察レビュー

狂犬チワワの牧

今回、指輪を無くしたことで泣きじゃくる、健気な牧に母性本能をくすぐられた人も多いだろう。多くのファンはあざと可愛い春田に癒される人が多いのだが、むしろ熱狂的なファンほど牧のかわいさにやられている印象を個人的に持った。

牧は普段はしっかり者で家事も仕事も完璧。先輩の春田よりも大人然として春田を引っ張って行くことが多い。しかし春田には前後不覚になるくらいお熱で、特に黒澤が相手になるとムキになってしまう。

普段はチワワのような可愛らしい顔をしているのだが、黒澤を見る目は鋭く狂犬のよう。春田になだめられると落ち着くのだが、時々春田でも制御できずに大暴れしてしまう。今回も旅館で和泉と菊之助も巻き込んでの大乱闘と化した。

その中で、演じている林遣都のアドリブなのか、うるさい黒澤にリモコンを向けて音量を小さくしようとするなどの抵抗の仕方が可愛く、クスッとなってしまう。

また牧の魅力と言えば、何といっても春田にとても一途なところだ。シーズン1の第1話から春田に想いを寄せていた牧は、元カレの武川（眞島秀和）に言い寄られても、少しもブレないところも魅力的だ。

一途と言うと聞こえがいいかもしれないが、実際はどんどん暴走してキャラ崩壊していく武川と、あまり関わらないようにしているようにも見える。前回、恋愛リアリティショーに出た後、配信者として活動している武川にも今後も注力して見守っていきたい。

ちょっとした仕草も可愛らしい。春田とデパートに行ったときも、エスカレーターにぴょんっと飛び乗ったり、「出張中浮気しちゃうかも」と春田に言われた時に、春田がよくやる「はぁい」という腹立つ顔を真似したりと、子供のような一面も見せてくる。

春田の影に隠れ気味だが、今作の真のあざと可愛いは牧なのだ。

（文・曾澤奈津美）

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