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“発想の転換”が西園寺さんの強み

『西園寺さんは家事をしない』第9話より ©TBS
『西園寺さんは家事をしない』第9話より ©TBS

 西園寺さんは、楠見くんのことが好きなのに、瑠衣の話をうれしそうに聞けるのがすごいなと思った。『海のはじまり』(フジテレビ系)でも、「死んじゃってずるい」という台詞が登場していたように、“好きな人の好きな人”の話を聞くのって、なかなかしんどいものだ。しかも、その人が亡くなっているのなら、なおのこと。永遠に敵わないような気がして、苦しくなる。

 しかし、西園寺さんは「退屈ですよね。すみません、知らない人の話」と言われたとき、「知らない人っていっても、結局は楠見くんの話じゃない? 楠見くんのなかの瑠衣さんの話でしょ? じゃあ、やっぱり楠見くんの話だよ。だから、嫌でも退屈でもない。話したいと思ったら、話してほしい」と返していた。

 この“発想の転換”ができるのは、西園寺さんの強みだと思う。“瑠衣の話”だと思って聞くとしんどくなるかもしれないけれど、“楠見くんのなかの瑠衣さんの話”だと思うと、またちがった意味で捉えることができる。状況は異なるかもしれないが、『海のはじまり』(フジテレビ系)の弥生(有村架純)の友だちに、西園寺さんがいたら、もっとちがう結末になっていたかもしれない…と思ってしまった。

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