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音楽経験のない指揮者志望の天音

芦田愛菜
芦田愛菜Getty Images

今後どう転ぶか1番見えないのが、指揮者志望の天音。先日の演奏会でクラシックに魅了され、晴見フィルの門戸を叩いた。音楽経験もないのにオーケストラに入りたいという天音に団員たちは呆れるが、夏目だけは彼女にやりたい楽器を見つけるようにと宿題を出す。それは、天音が好きなフレーズを問われて、主旋律だけではなく副旋律を歌ったから。普通の人ではそうはいかないらしい。聴いている、聴こえている天音に、夏目は可能性を感じたのだ。

生き生きと音楽の魅力を語る天音を見て、當真あみが覚醒したように感じた。よく言えば天真爛漫、見ようによっては無鉄砲な、才能を秘めているかもしれない女子高生が當真にベストマッチだ。静謐な雰囲気と、黒目がちでキラキラした瞳、笑ったときの愛嬌が天音の輪郭を濃くする。今後ますます存在感を増すだろうことが楽しみでたまらない。

人数を増しにわかに活気づく晴見フィルだが、終わりが決まっている状況は変わらない。

奇しくも響は、晴見フィルの所持品を処分する特命係に任ぜられた。そんな折、トランペット奏者の森大輝(宮沢氷魚)が丁寧にスコアを修復している場面に遭遇する。痛んではいるが大事に使い込まれた楽譜上には、「一気に!?」などの文字が書き込まれている。晴見フィルの歴史に思いを馳せる大輝。その手にあるスコアを、響もまた優しい表情で見つめていた。

ところが、片付く様子がないからと、別の市役所職員がスコアを段ボールに放るのを目撃してしまう。「乱暴に扱わないで!」と思わず叫んだ響。音楽への愛情がなくなったわけではないのだろうと見て取れるが、夏目との関係は相変わらずだ。

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