元凶は武蔵一家とはどういう意味か
配信で武蔵や和泉は、患者を診る順番を決めるのは裕子ではなく棚倉だったことを訴える。裕子も2度と同じことが起こらないよう進言したと伝えるが、大河はそのことをわかったうえで「それで何が変わった? 権力に飼いならされていることがお前の罪」と断罪した。だが、裕子への制裁は「いまではない」と先延ばしになる。
裕子と棚倉は、ともに要人が集まる会合に派遣される医療チーム・SE-MATのメンバーで、この配信の瞬間も、棚倉は丸亀のそばにいた。そんな丸亀に「あの男(=大河)は消したんじゃなかったのか?」と問い詰められていたのが、刑事部長の大久保だ。
川越(片桐仁)亡きあと、綾部(吉田健悟)に指示を出していたのは大久保だった。警察のなかに広がる闇も暗く深い。
空港内で監禁された詩と奏のところに、瀬奈(山谷花純)と松長がやって来る。なんと、この2人も大河に寝返っていたのだ。獣と“ケダモノ”、本来は目的を同じくしていたはずの面々が真っ二つに割れていたことが判明する。
先の配信で大河が残る獣の1人・犬の正体をバラそうとしたことで、龍は次の作戦の予定を早める。
そしてはじまった獣たちによる配信。3日前に撮影された映像から明らかになった犬の正体は、情報分析官の岩槻(白石聖)だった。やはり警察内部にまだ裏切り者がいた。これまでの警察官然とした表情からは一変、ほかの警察官が使用していたモニターを爆破して威嚇。
武蔵のインカムには岩槻の手によって爆弾が仕掛けられており、この場から出て行く者がいれば爆破するという。空港のみならず、指令本部までもが獣たちの手によって乗っ取られてしまった。
今回、武蔵に代わって指令を与えられたのは姉の二葉(奥貫薫)。30年前に姿を消した兄・健一の失踪理由を話せ、という。「私たちが獣になった元凶はお前たち家族にある」と龍。一体どういうことなのか?
龍と駿河の年齢が30歳ということから、健一の失踪時は2人が生まれる前後だと推測される。彼女たちの出生にまつわる何らかの事件があったということだろうか。