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櫻井翔の熱演

『新空港占拠』【番組公式インスタグラムより】
新空港占拠番組公式インスタグラムより

騙し合い、裏切り合いの果てに、8話にしてようやくすべての人間関係が明らかになった感がある。

警察内部に信頼が置けないのは最初から想定できていたものの、獣たちのなかに大河に寝返った人が複数いたことには驚いた。目的を同じくする同士を集め、ともすればすべての罪を一手に引き受けても構わない覚悟で今回のことに及んだだろう龍。

泣いている幼少期の駿河の手を引く回想から見て取れる2人の関係性も相まって、この人を応援したい気持ちが湧いてきてしまいそうになる。

それを言ったら大河だってそうだ。自分の大事な人よりも、他の人の命が優先される場面を目の当りにしたら、その怒りは到底、言葉になんてできない。彼らもまた被害者であることは疑いようのない事実の側面のひとつで、共感と同情から、許される罪もあるのでは、なんて矛盾した感情を抱きそうになる。

だが、それを引き戻してくれるのが武蔵を演じる櫻井翔の熱演だ。裕子の監禁場所に乗り込んだときの歯が砕けんばかりに怒りに震える様子、罪を暴いてなお爆破を止めようとしなかった大河に向けられた必死な表情。

そうだった、獣もケダモノも、つらい過去はあれど、いまは犯罪者なのだ。どんな理由があっても、犯罪を許してはいけない、と櫻井が身体を張って教えてくれるようだ。

世の不条理と、嘘を暴くことの難しさ、大義名分や権力によって脅かされる市民の日常。それらを教えてくれる「占拠」シリーズの2作目の背後に隠された真相が、まもなく明らかになる。

(文・あまのさき)

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