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ボクサーのように立ち上がる小池栄子

『新宿野戦病院』第1話より ©フジテレビ
『新宿野戦病院』第1話より ©フジテレビ

 第1話は、外科医が見つからないと駐車場になってしまう聖まごころ病院に、ひょんなことからアメリカの医師免許はあるが、日本の医師免許はないヨウコ・ニシ・フリーマン(小池栄子)が雇われる、という流れ。彼女は、元軍医で、決断が早く処置も正しいがザツ、という設定だ。

 医学用語、岡山弁、英語が降り混じるセリフが本当に大変そう。演じる小池栄子は押しも押されぬ大女優ながら、いつまでもリングの挑戦者枠に立つボクサーのようである。殴られても殴られても起きあがり、ガハハハと笑いながら突進してくるような、コワ頼もしさがある(褒め言葉である!)。「サバイブ」という単語がこんなに似合う人も珍しい。「このドラマがどんなおかしな方向に話が進んでも、小池栄子に着いていきたい」そう思えるのだ。

 第2話の予告動画のタイトル画像には、ガンガンに目をひんむきサイコパスの笑顔を見せる小池栄子がドカンと映っており、感動してしまった。隣の仲野太賀の爽やかな笑顔との対比が素晴らしい。ヨウコ・ニシ・フリーマンのクレイジーさが溢れ出ている!

 『ドクターX〜外科医・大門未知子〜』(テレビ朝日系、2012~)も米倉涼子の目が見どころの一つだったが、この『新宿野戦病院』も、小池栄子の目から目が離せない。カオスの象徴だ。

 そしてもう一人のカオスが、NPO法人「Not Alone」新宿エリア代表、南舞(橋本愛)。第1話から、早くも謎めいたシーンが織り込まれていた。

 橋本愛さんのあまりにも都会的な美しさは「一触即発」という四文字熟語を思わせる。彼女がした小さなことが、巡り巡って周囲にすごい影響を与える…。そんな「バタフライエフェクト」のバタフライ的役割を思わせるのである。

「私によって、世の中は平等じゃないから、虚しくないんです」

 舞が言ったこの言葉が、今後、聖まごころ病院に大きな変化を与えることになりそうで、楽しみである。

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