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腹が立つが魅力的…“不適切”を経た宮藤官九郎が“雑”にこだわる理由とは? ドラマ『新宿野戦病院』第2話考察&評価

text by 田中稲

小池栄子と仲野太賀がW主演のドラマ『新宿野戦病院』(フジテレビ系)が現在放送中。宮藤官九郎の最新作である本作は、新宿歌舞伎町にたたずむ「聖まごころ病院」を舞台に、様々な”ワケあり”の患者が訪れる。今回は、第2話を多角的な視点で振り返るレビューをお届けする。(文・田中稲)【あらすじ キャスト 解説 考察 評価】

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【著者プロフィール:田中稲】

ライター。アイドル、昭和歌謡、JPOP、ドラマ、世代研究を中心に執筆。著書に『そろそろ日本の全世代についてまとめておこうか。』(青月社)『昭和歌謡出る単 1008語』(誠文堂新光社)がある。CREA WEBにて「田中稲の勝手に再ブーム」を連載中。「文春オンライン」「8760bypostseven」「東洋経済オンライン」ほかネットメディアへの寄稿多数。

冒頭ナレーション「誰でも安心して遊べます」!?

ドラマ『新宿野線病院』第2話 ©フジテレビ
ドラマ『新宿野線病院』第2話 ©フジテレビ

「ここは新宿歌舞伎町。東洋一の歓楽街です。近年、健全かつ衛生的な若者の街として生まれ変わり、キャバクラ、ホストクラブ、ガールズバー、その他、合法的な風俗店が軒を連ね、誰でも安心して遊べます」

「新宿野戦病院」は、この説明から始まる。初回は、南舞を演じる橋本愛が英語で披露し、今回第2回目はスペイン語のナレーション。第3回目は何語なのか、今から楽しみである

 ただし、いざ始まると本編は「どこが安心やねん」とツッコみたくなる事件が起こる。連続で起こる。起こりっぱなしだ。それが新宿歌舞伎町――。

 毎回「安心して遊べなかった」人たちが、聖まごころ病院に運ばれてくる。第2回でまず運ばれてくるのは、鼻穴にワイヤレスイヤホンが入った10歳であった。

 コミカルに描かれていたが、いやいや、好奇心旺盛な子どもさんがいらっしゃるご家庭では、どこでも起こりうる事故である。「便利なものにはリスクもある」、鼻穴の奥から響くサザンの名曲「栞のテーマ」でそう注意喚起してくるとは、さすがクドカンである。

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