明かされる南舞の素性と「歌舞伎町浄化作戦」
まさか南舞(橋本愛)の裏の顔がSM嬢、というエピソードが、こんな健康的な内容で回収されるとは思ってもいなかった。そして舞は、歌舞伎町を取り仕切っていた風俗王の娘であることも警察官・岡本(濱田岳)とのデート中にあっさり告白。
彼女が話す、風俗王の父が巻き込まれたという「歌舞伎町浄化作戦」は、実際に行われた取り組み。風俗王の父が巻き込まれたという「歌舞伎町浄化作戦」は、プロのならず者の街だった歌舞伎町を、ある程度クリーンにしたものの、低年齢化に導いたきっかけにもなった。
2003年6月、当時2期目に入っていた石原慎太郎都知事が「東京の犯罪を一挙に減らす」という公約のもと、歌舞伎町への厳しい取り締まりを始めたのだ。
2005年には東京都迷惑防止条例と、ぼったくり防止条例が改正。風俗店や違法カジノ、猥褻ビデオ店など、多くの店が廃業に追い込まれた。
スカウトやキャッチ行為も規制され、結果、数百人の暴力団関係者が逮捕・起訴、1000人以上の不法滞在外国人が摘発されている。かつての家出少年少女の溜まり場だった新宿コマ劇場は解体され、2015年4月、その跡地に、TOHOシネマズ新宿がオープン。実物大のゴジラ模型が併設されたことにより、新宿浄化作戦は一区切りついたとされている。
とはいえ、言わずもがな、20年経った今も、歌舞伎町=欲望を満たす街という定義は変わらず、違法サービスは水面下で行われている。
南舞の父親は、「歌舞伎町浄化作戦」で職を失った人たちに、新たな職場をあっせんしたことでカリスマ化し、舞はあらゆる株主優待券を持ち、「歌舞伎町で1円もお金を使ったことがない」ほど、周りから一目置かれている。
ただ、彼女は第3話で、「ガキは近づけなかったんだよ、昔の歌舞伎町は。(怖い大人の縄張りだったから)秩序はあった」と言う岡本に、「私はそうは思いません。ヤクザとか半グレとかが力でねじ伏せて作った秩序なんか必要ありません!」と噛みついていた。
とても複雑な親子事情がありそうだ。