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「未知のウイルス騒動」という未来のシミュレーション

『新宿野戦病院』第9話より ©フジテレビ
『新宿野戦病院』第9話より ©フジテレビ

 さて、私が一番応援しているはずき(平岩紙)さんに、ハッピーな展開が! 三重県在住の医療関係者とマッチングが成功したようだ。

 しかも、はずきさんは婿養子ではなく、嫁ぐ方向で考えていた。家を出ようとする彼女に「俺の面倒は誰が見るんだよ!」と狼狽する高峰院長(柄本明)、なかなかえげつない。病院はヨウコに継いでもらうが、身の回りの世話は、慣れているはずきさんにさせるって調子良すぎだろう、爺さん!
 
 短いシーンだっだが、親と同居している私は他人事ではなく、かなり腹が立ってしまった。自由になってはずきさん~! …とか叫びながら観ているうちに、ドラマはまさかの展開、2025年へ。

 はずきさんは、半月ごとに三重と歌舞伎町を行き来するという、ナイスな条件で交際が続いていた。他にも、聖まごころ病院の借金の期限は無期延期となり病院は存続、マユ(伊東蒼)は高校を無事卒業し、母親との関係もとりあえず良い方に向かっている。ヨウコは医師免許を所得。
 
 これまで抱えていた問題がどんどん解決していっているが、それを待つようにやってきたのが「コロナとはまったく違う未知のウイルス」――。

 ラスト、もう一度、南舞による日本語のナレーションが入るが、「ここは新宿歌舞伎町、健全かつ衛生的な若者の街…ではありません」

 否定形である。

「大丈夫だよ、俺たち、コロナも克服したんだから」
「マスク買い占めとか、あの時は大人げなかったよね」
「そうだね、今度は正しく怖がらないと」

 ニュースを見る啓三(生瀬勝久)たちの、この不穏なセリフの先にある景色とは。

 次回、忘れかけていたコロナ禍のあの騒ぎを思い出し、「あれ以上の脅威が来たら」という絶望的な未来を脳内シミュレーションすることになりそうだ。聖まごころ病院から、私たちはどんな「ロックダウン」を見せられるのだろう。
 
(文・田中稲)

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