散りばめられたボケに胸おどる
吉岡里帆と永山瑛太の芝居に注目!
第一話は、「2253年7月21日」の日付と、新宿の象徴でもあるモード学園コクーンタワーやLUMINEなどを上空から見下す未来の景色から始まる。最初の映像が映し出された瞬間、その壮大な幕開けにワクワクする気持ちが溢れ出しそうになった。
精巧なCG表現と、フィルムカメラのような質感で撮影された映像。そのハイセンスな組み合わせに目を奪われたのも束の間、すぐに小ボケが目に飛び込んでくる。
真剣な眼差しでパソコンに向き合う、吉岡里帆演じる廻が製作しているのは、“ゆずこしょうキャラメル”のパッケージデザイン。それを観るなり、ついつい心の中で「ゆずこしょうキャラメルって!」とツッコミを入れてしまい、その瞬間からすでに心は掴まれていた…。
その後も吉岡里帆のコミカルな芝居と、永山瑛太のボケ倒したセリフ運び、未来人を演じる「シソンヌ」のじろう、ヨーロッパ企画の石田剛太、元乃木坂46の伊藤万理華たちとの掛け合いに、心をくすぐられ続ける。
「宇宙の運命がかかっている」とタイムパトロール隊員への入隊を頼む翔に対し、廻は「私にもゆずこしょうキャラメルの運命がかかっている」と言い返す。
それを聞くなり、タイムパトロール隊員の面々は「ゆずこしょうキャラメルってなに?」「道の駅とかにしか売ってないやつ」「誰も食べないやつ」「誰も買わない」と一斉に言葉を浴びせかける。彼らの言葉から、未来にはゆずこしょうキャラメルがないことがわかる。
未来という設定を活かした会話運びや、変人をナチュラルに体現する役者たちの芝居も、本作の見どころの一つだ。