200年後の未来という新しさと懐かしさが同居する世界観
約200年後の世界には空飛ぶ車や、宇宙ステーションのような建物が並ぶ。しかし未来人が身につける衣装は、藤子不二雄が描くようなデザインで、未来の設定であるはずなのに懐かしさがあり、安心感を覚えると同時に思わずぷっと笑ってしまうような可愛らしさがある。
タイムパトロール基地のセットや小道具の作りも、我々が思い浮かべる“THE 未来”のようなルックであるが、上述した、役者たちの考えこまれた芝居によって、既視感ではなく、斬新な印象を強く受ける。相反する要素がないまぜになった、独特の世界観に胸が高鳴るのを隠せない。
30分という尺の中にぎゅっと詰め込まれたワクワクと、劇場で見られるようなコメディ芝居をお茶の間で存分に堪能できる。筆者が思いつくかぎり、そんなドラマは他にはない。
未来人と現在人の恋、そして廻と翔の恋の行方にも目が離せない。2話目以降の展開が楽しみで仕方がない。
(文・野原まりこ)
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