超絶ぶっちぎりのハッピーエンド!
『時をかけるな、恋人たち』が私たちに教えてくれたこと
暗いニュースがはびこる世の中を切り裂くかのごとく放送された、子ども心全開の大人のピュアラブストーリー『時をかけるな、恋人たち』。ついに最終回を迎えたトキコイのハッピーエンドには、全人類が祝福したのではないだろうか。
ラストシーン手前で和井内が最後に発した「時をかけるな〜!」という、ルパンを追いかける銭形警部のようなセリフは、ベタ中のベタでありながら、トキコイのレトロフューチャーな世界観を飾るにふさわしいラストであった!
そして手を繋いで走る廻と翔の、全てを振り払うほど印象的なラストシーンには、美味しいものを食べ終わったとき、お昼寝から目覚めてまだ夕方前だったとき…。そんな、なんとも形容しがたいが思い出せないだけで、たしかにあったあの頃の幸せのような、満ち足りた気持ちに全身が包まれた。
この感情を表すために人はエモいという言葉を作ったのか、と気づかされる。
本作は、世の中はもっと単純で、ピュアで、わがままで、恋をして良いのだという、もっとも核心に近いはずなのに忘れがちな気持ちを思い出させてくれたように思う。
廻と翔のキスシーンには、エロなんかよりももっとグッとくる説得力に満ちていて、恋の持つエネルギーの強さを信じさせてくれた。恋が終わってしまったり、うまくいかなかったり、どうしようもない事態に巻き込まれるけど、それでも一生懸命生きていくことを廻や翔、そして時をかけた恋人たちに教わった。
ものすごく単純で当たり前のことだけど、それが意外と難しかったりする世の中で、こんがらがった心を恋と笑いとSFで優しくほどいてくれたトキコイ。
殺伐とした世の中で、今一番観たかった物語だ。
そんなトキコイは、2024年4月にBlu-ray&DVDボックスが発売されるそうだ!
また未来で廻と翔に会えることを願って、空を見る。
(文・野原まりこ)
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