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“リアル”を大切にしたいと思わせる
心あたたまる物語

Ⓒカンテレ
Ⓒカンテレ

本作をここまで追っている視聴者はとっくに気づいているだろうが、本作は笑いだけではなく、意外と考えさせられる。

時をかけてきた恋人たちが織りなす1話完結の物語に加え、吉岡里帆演じる廻と、永山瑛太演じる翔の行方が同時進行で進んでいく内容だが、物事の根底には愛がある。

本作で描かれる恋人たちの物語からは、相手を思いやることの美しさや尊さを感じる。

令和に生きる我々は、1人1台持っている小さな画面越しに人と繋がっている気になってしまってはいないだろうか。それはいいねの数であったり、フォロワーの数であったり、人間がただの数字になってしまっているような寂しさを感じる瞬間がある。

SNSで人気を獲得することを否定しているわけではないが、「本当の人と人との繋がりってなんだろう」と考えた時、数字は重要なことではない。

第5話では、世界で1番大切な存在を失ってしまった者が、何をしてでもその人を生かしてあげたいという思いが描かれており、今目の前にいる人を大切にすることが何よりも大事であることを思い出した。

本作の設定にある時空は、リアルに置き換えると距離だ。我々は、距離を超えていくことができる。

ラストでは毎回、美しい空を映している。遠く離れて暮らす家族や、会いたくても会えなくなってしまった人と、ベタな表現だが、同じ空の下で繋がっていることを示唆している。

本作の脚本家・上田誠は舞台の劇作家。誰よりも“生”であることの良さを知っている人物だ。

(文・野原まりこ)

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