よねが持つ違和感
第2週目、圧倒的な存在感を示したのはやはり、よねだろう。女性が不平等を被る現状に常に腹を立て、寅子や涼子たちとは異なり、髪をオールバックに固め、男装姿に身を包む。
女性が虐げられていることに誰よりも怒っているはずなのに、女性としてそのままで権利を得ようとする寅子たちをどこか見下しているように見える。まるで男性になろうとしているかのような振る舞いに違和感を覚えた。
その先にあるものは、果たして本当の平等なのだろうか?
ただ、彼女にもそうならざるを得なかった背景がありそうだ。「寅子は恵まれている」という尾野真千子のナレーションは、まさに視聴者が感じていたことの代弁といって差し支えないだろう。
明らかに恵まれた家庭環境で、母の説得こそ必要だったものの勉学に励む十分な環境が整っている。きっと寅子は少数派。よねとの環境の違いを改めて寅子が目の当たりにしたとき、どんな言葉をかけるのかに注目したい。
また、シソンヌの2人が夫側・妻側の弁護人としてそれぞれ登場したことも話題に。ともすれば重くなりそうな裁判シーンも、じろうのやや大げさな表情などでメリハリがつき、軽やかに観ることができた。
今後の裁判シーンでも芸人が登場するのか、こちらも目が離せない。
(文・あまのさき)
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