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滝藤賢一の熱演と退場に涙…”多岐川”の愛に満ちた言葉とは? NHK朝ドラ『虎に翼』解説&感想レビュー

伊藤沙莉主演のNHK朝ドラ『虎に翼』。本作は、昭和初期の男尊女卑に真っ向から立ち向かい、日本初の女性弁護士、そして判事になった人物の情熱あふれる姿を描く。「女三代あれば身代が潰れる?」と題した第24週では、最高裁長官になった桂場(松山ケンイチ)を筆頭に、様々な人の変化が描かれた。【あらすじ キャスト 解説 考察 評価】

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【著者プロフィール:あまのさき】

アパレル、広告代理店、エンタメ雑誌の編集などを経験。ドラマや邦画、旅行、スポーツが好き。

「あげた声は決して消えない」
原爆裁判を終えた次のテーマは”尊属殺人”

連続テレビ小説『虎に翼』第24週
連続テレビ小説『虎に翼』©NHK

 物語も佳境に入っている『虎に翼』第24週。「女三代あれば身代が潰れる?」と題して描かれたのは、己の正義を貫くことと自分らしさであったのではないかと思う。

 残念ながら原告側の敗訴で幕を閉じた原爆裁判。記者の竹中(高橋努)は、長い記者人生のなかで初めて本を出版する。寅子(伊藤沙莉)のことを「お嬢ちゃん」ではなく「佐田判事」と呼び去って行く姿には、少しの哀しさと充足を感じた。

 原爆裁判で、関係者たちはみな苦汁をなめた。おそらくは政府側の代理人も。よね(土居志央梨)たちのもとにやって来た寅子に、よねは「黙って飲め」と酒を勧める。

 でも、裁判をしたこと、原子爆弾の投下が国際法に違反するとした判決文は残る。「あげた声は決して消えない」。かつての尊属殺人のことがふと頭をよぎる。

 時は流れ、寅子は東京家裁少年部部長に、桂場(松山ケンイチ)は最高裁長官になった。直人(青山凌大)は裁判官になり子どもが生まれ、優未(川床明日香)は大学院で寄生虫の研究中。それぞれに自分の道を進んでいる。

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