憲法記念日にふさわしい神回…松山ケンイチ“桂場”の判決文が胸を打つワケ。 NHK朝ドラ『虎に翼』考察&解説レビュー
text by あまのさき
伊藤沙莉主演のNHK朝ドラ『虎に翼』。本作は、昭和初期の男尊女卑に真っ向から立ち向かい、日本初の女性弁護士になった人物の情熱あふれる姿を描く。第5週では、寅子の父・直言が贈賄容疑で逮捕される。寅子の学友たちも裁判に向けて協力し、1年半も及んだ裁判の顛末は…。(文・あまのさき)【あらすじ キャスト 解説 考察 評価】
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【著者プロフィール:あまのさき】
アパレル、広告代理店、エンタメ雑誌の編集などを経験。ドラマや邦画、旅行、スポーツが好き。
贈賄罪で逮捕された父・直言を救えるか?
第5週は「朝雨は女の腕まくり?」というタイトルで、贈収賄で逮捕された寅子(伊藤沙莉)の父・直言(岡部たかし)の1年半にも及ぶ裁判の顛末を描いた。
本格的な裁判が始まる前の予審が終わり、ようやく家に帰ってきた直言は憔悴しきっていた。「俺はとんでもないことをしてしまった」の一点張りで、自分が罪を犯したのだと譲らない。それでも、寅子をはじめ、直言をよく知る人たちは直言の無実を信じている。直道(上川周作)の「俺にはわかる」に肩の力が抜けつつも、今回ばかりはそれが当たれと祈らずにはいられない。
穂高教授(小林薫)を花岡(岩田剛典)が猪爪家に連れて行ったことをきっかけに、寅子の学友たちも裁判に向けて協力を惜しまない姿勢がとにかくよかった。法律を学ぶ者として、貴重な経験だったことだろう。ああでもないこうでもないと議論を重ねたり、持てる術を総動員したりして、なんとか直言の無罪を証明しようとする様子に胸が熱くなった。