仲野太賀&岩田剛典、”寅子”への想いを”伝えた側”と”伝えなかった側”の違いとは何か? NHK朝ドラ『虎に翼』レビュー
text by あまのさき
伊藤沙莉主演のNHK朝ドラ『虎に翼』。本作は、昭和初期の男尊女卑に真っ向から立ち向かい、日本初の女性弁護士になった人物の情熱あふれる姿を描く。第7週では、晴れて弁護士となった寅子の前に巨大な壁が立ちふさがり、寅子は今後の人生に関わる大きな決断をすることになる。(文・あまのさき)【あらすじ キャスト 解説 考察 評価】
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【著者プロフィール:あまのさき】
アパレル、広告代理店、エンタメ雑誌の編集などを経験。ドラマや邦画、旅行、スポーツが好き。
女性弁護士に対する世間の風当たり
連続テレビ小説『虎に翼』©NHK
「女の心は猫の目?」と題し、寅子(伊藤沙莉)が司法修習を経て念願の弁護士となり、さらには結婚するまでを描いた第7週。今週も情報量がすさまじい。
去って行った仲間たちのためにも、自分の力を証明しなくてはと意気込む寅子は、共亜事件のときにも世話になった雲野(塚地武雅)の事務所で引き続き司法修習を行うことに。
昼休みは花岡(岩田剛典)や轟(戸塚純貴)とともに過ごすことが多いようで、そのシーンが微笑ましくもあり、人の少なさが悲しくもある。ちなみに久保田(小林涼子)は横浜で働いているらしい。
月日は流れ、寅子より1年早く高等試験に合格していた花岡は、無事に裁判官になることができた。そのことを早く伝えるべく、寅子の家に電話をしてきて「2人でお祝いをしたい」という。
完全に立ち上がる恋愛フラグ。花江(森田望智)やはる(石田ゆり子)、そして視聴者だってそわそわしているのに、当の寅子はどこ吹く風だ。
とはいえ、寅子だって花岡に対して何の感情もなかったわけではないだろう。ともに司法を学んだ大切な仲間であり、轟たちに対してとは少し違う感情を抱いていたはず。でなければ、花江たちにのせられるままにワンピースを仕立てたりなどしなかっただろう。