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夫婦で迎えた初めての夜

連続テレビ小説『虎に翼』第7週
連続テレビ小説『虎に翼』©NHK

結婚するという2人に、はるが「優三さんにとってのうまみは何か?」と問いかけるシーンもとても印象的だった。家族のいない優三にとって、猪爪家の家族になれることはうまみ以外の何物でもない。寅子だけではなく、この家そのものを優三は心から愛しているのだと感じられるやりとりだった。

気になるのは、2人で迎えた初めての夜にようやく寅子への気持ちを伝えたときのこと。驚く寅子をよそに、わりとあっさり眠ってしまった優三。正直、そんなすぐ眠れるんだ……と驚きつつ、優三から寅子への“好き”は深い深い家族愛なのだろう、と気づかされる。

2人は正式に婚姻関係を結んでいる。寅子は優三が家にいるとわかって弾けるような笑顔を見せ、優三が結婚の許しを得てものすごい勢いで頭を下げたときには阿吽の呼吸で湯飲みをどかしていた。

俗にいう恋愛とは少し違ったとしても、2人なりの愛情を育んでほしいなと思う。なによりも、こんなに優しくていい人はいないぞ!大事にするんだぞ!と寅子に伝えたい。

贅沢は敵という言葉が飛び、金属製品が収集され、寅子の周りからも少しずつ田舎に帰る人が現れはじめる。戦争が人々の暮らしの中にじわじわと暗い影を落としている。さまざまな愛情を感じた1週間を経て、寅子たちはこのあと一体どんな事態に直面していくのだろうか。

(文・あまのさき)

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