ムロツヨシ×平手友梨奈の息の合った芝居が生む”痛快”さ
もともと杏は法律に関する知識もない新人パラリーガル・蔵前のことを拒絶していた。ところが、回を重ねるごとに2人の間には確かな信頼関係が出来上がってきている。今回の5話は、離れていたからこそそれをより実感することができた。
例えば杏がパラリーガルをやることになり、イライラとグミを食べようとすれば、パッケージには「食事をしてからグミ」の文字、さらにイライラとジュースを飲もうとすれば、そこにも「食事をしてからジュース」の文字が書かれていた。
大事なお客様にジュースを出してしまっていたことも、蔵前との電話中にグミを食べていたことも、蔵前には全部お見通しだった。まるでずっと見ているかのように。
そこまでされては、杏もぐうの音が出ないし、蔵前の言うことを聞くようになる。
過去に言われた「自分から名乗る」は見事に実践していたし、その後も「アポを取るときは下から」で物理的に電話口の下にいっていた(ので正解ではないのだが…)し、大神にはきちんとコーヒーを出していた。
ムロが持ち味のコメディを全面に出しわかりやすい笑いを体現する一方で、平手がクールな表情のまま言われたことを素直に実践する様にくすりとさせられる。回を重ねるごとに、2人の連携とバランスが取れてきているように感じる。
また、戸田恵子扮する今日子と言い合いをする際も、平手は自信家の新人弁護士然として一切の引けを取らない。どんなに早口になっても発話が聞き取りやすいのも、好材料だろう。
社会情勢や景気に対する不安など、なんとなく鬱々とした空気が蔓延する中、“悪”にどこかで必ず痛い目を見せてくれる痛快な作品が視聴率を右肩上がりにしているのは必然と言えるだろう。
(文・あまのさき)
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