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誰かのせいにしたい心の葛藤

『海のはじまり』第10話より ©フジテレビ
『海のはじまり』第10話より ©フジテレビ

 夏を見ていると、あまりにもしんどくなるため、つい水季にヘイトを向けそうになっている自分がいる。

 というか、「中絶同意書にサインをさせておいて、なぜ産んだのか?」「夏から選択肢を奪いたくなかったのなら、なぜ海に父親の存在を教えたのか?」「そもそも、なぜ中絶を決める前に夏の意見も聞こうとしなかったのか?」と、水季へのクエスチョンが数えきれないほど出てくる。夏がいま置かれている状況は、水季にイライラをぶつけたところで何も変わらないのに。

 もしかしたら、朱音や津野も同じ気持ちなのかもしれない。大好きな水季がこの世にはいない悲しみを、どう乗り越えればいいのか分からなくて、“何かのせい”にしたくなってしまう。だから、関係のないことまで“夏のせい”だということにして、イライラをぶつけているのではないだろうか。

 夏を敵視したところで、水季が戻ってくるわけじゃない。そんなことは分かっていても、ぶつけるところがほかにはないから。

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