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自然と涙が溢れだす…『アンメット』を傑作たらしめる“挑戦的で繊細な演出”とは? 第5話考察&感想レビュー

text by 苫とり子

杉咲花主演の月10ドラマ『アンメット ある脳外科医の日記』(カンテレ・フジテレビ系)。本作は、“記憶障害の脳外科医”が主人公の、新たな医療ヒューマンドラマ。今回は、難易度の高い脳手術を執刀することになったミヤビと、仲間達の絆が深まる第5話のレビューをお届けする。 (文・苫とり子)【あらすじ キャスト 解説 考察 評価】

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【著者プロフィール:苫とり子】
1995年、岡山県生まれ。東京在住。演劇経験を活かし、エンタメライターとしてReal Sound、WEBザテレビジョン、シネマズプラス等にコラムやインタビュー記事を寄稿している。

手術に不安を抱えるミヤビの背中を押す星前

『アンメット』第5話より ©カンテレ
アンメット第5話より ©カンテレ

寺の住職・成海(三宅弘城)が読経中に意識を失い、丘陵セントラル病院に運び込まれてくる。検査の結果、成海の脳には“もやもや病”という疾患が見つかった。

もやもや病とは、脳に血液を送る内頸動脈が細くなってしまう病気で、血流不足を補うために毛細血管が拡張。その状態が血管検査でもやもやと見えることから、“もやもや病”という疾患名がつけられた。

治療後も脳梗塞や脳出血を引き起こす可能性をはらんでおり、主治医のミヤビ(杉咲花)は、成海に今後、お勤めは一切やめるよう宣告。それは事実上の引退勧告だったが、成海はミヤビの言葉を静かに受け止める。

治療としては、頭皮の血管を中大脳動脈に繋いで脳血流を増加させる直接バイパス術が行われることに。もやもや病の血管は細く、難易度の高い手術となるが、三瓶(若葉竜也)はミヤビを術者に指名。

ミヤビは今の自分には無理だと反論するが、三瓶は何度も「あなたにはできる」と言い聞かせる。しかし、ミヤビは麻衣(生田絵梨花)から「三瓶先生のことはあんまり信用しないほうがいい」と言われたことが胸の奥に引っかかっていた。

そんな中、救急部長の星前(千葉雄大)が全科で専門医レベルを目指すきっかけとなった出来事を知るミヤビ。星前の母親は半年も病院をたらい回しにされた挙句、多発性骨髄腫のステージ3と診断された。

結果的には化学療法で完治したが、専門医のせいで母親の病気の発見が遅れた経験から、星前は全科専門医レベルの知識と技術を手に入れると決意したという。

三瓶はその考えを真っ向から否定したが、「夢物語だって笑うやつは笑わせておけばいい」と自分の道を貫く星前に背中を押され、ミヤビは手術の練習を開始。

だが、手術の日が近づくほどに不安が押し寄せてくる。第5話では、そんなミヤビを仲間たちがサポートした。

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