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寝ても覚めても【ネタバレあり】あらすじ

朝子はルームメイトのマヤ(山下リオ)と一緒に、写真展に足を運ぶ。閉館時間ギリギリに着いた2人は、従業員に入場を拒否されるが、たまたま通りかかった亮平が機転を効かせ、3人は無事ギャラリーに入ることができた。その後、3人はカフェで歓談。亮平に対して心を開こうとしない朝子とは対照的に、マヤは亮平と気さくに言葉を交わし、「今度うちに来てくださいよ」と告げる。

亮平は同僚の耕介 (瀬戸康史)を誘い、朝子とマヤが暮らすアパートを訪れる。食事会は盛り上がり、4人は楽しいひと時を過ごす。耕介は女優を生業とするマヤの芝居が観たいと懇願。4人はマヤが出演する舞台のDVDを鑑賞することになるが、かつて舞台俳優を目指していた耕介は、厳しい視点でマヤの芝居を批評する。耕介とマヤは激しい口論を交わすが、朝子の一言で場は鎮まる。耕介はマヤへの言葉に「嫉妬が混じっていた」と謝り、マヤもまた耕介のあけすけな意見に「痛いところを突かれてカッとした」ことを認め、両者は和解する。

数日後。朝子は亮平のオフィスに配達で訪れる。亮平は自身から逃げようとする朝子を追いかけ、告白。「俺は君が思っているような怖いやつでも悪いやつでもない。俺のこと、ちゃんと見てくれ」。朝子は亮平の思いに応え、2人は口づけを交わす。

麦と亮平の容姿はそっくりだが、内面は正反対。気まぐれで何事にも無頓着な麦に対し、亮平は「実直」を絵に描いたような性格の持ち主だ。亮平と付き合うことになった朝子だったが、ある日突然、電話で一方的に別れを告げる。その日は、マヤが出演する舞台の上演日。亮平は会場で朝子と会えると期待するも、彼女は姿を見せない。そんな中、上演中に地震が発生。舞台は中止となり、帰宅難民となった亮平は、朝子を探しに街を彷徨う。亮平は背後に視線を感じ、振り向くとそこには朝子がいる。2人は無言で抱き合い、お互いの無事を確かめ合うのだった。

5年後。朝子と亮平は、猫の「ジンタン」と共に仲睦まじく暮らしていた。耕介とマヤも結ばれ、マヤはまもなく出産を迎えようとしている。朝子は亮平とのデート中に、大阪時代の友人・春代と再会。春代は亮平が麦とそっくりであることに驚き、亮平が席を立つと、「亮平さんは朝子と麦のことを知っているの?」と朝子に問いかける。麦は気鋭のモデルとして芸能界で活躍し始めていた。

程なくして、亮平は会社から大阪転勤を命じられる。亮平は朝子にプロポーズ。朝子は、麦との過去を亮平に打ち明ける。亮平は自身が朝子の元カレに似ていることを全く気にしていないと告げ、両者は結婚し、大阪への移住を決める。

朝子と春代は公園で休日を過ごしている。春代は朝子の結婚を祝福する。すると、そこに麦が乗った車が通りかかる。沢山の女性ファンが麦の車を追いかける中、朝子は春代の制止を振り切って、車に向かってダッシュする。そして、車の中の麦に向かって何度も大きく手を振るのだった。

亮平と朝子の大阪移住が間近に迫る中、一人東京の自宅で留守を預かった朝子の元に麦が現れる。麦は「朝子、迎えに来たよ」と優しい声で囁く。朝子は麦の出現に動揺を隠せず、部屋の片隅で身を震わせて、亮平の帰りを待つ。数日後、朝子と亮平の送別会が開かれた。出席者は朝子、亮平、耕介、マヤ。レストランで歓談する4人の前に、麦がやってくる。麦は「約束を守りにきた」と告げ、朝子に手を差し伸べる。朝子はその手を掴み、2人はその場を出て行く。朝子を奪われた形となった亮平は、哀しみと怒りで拳を震わせるのだった。

麦の運転する車の助手席に座る朝子。麦に行き先を尋ねると、「北海道」と答える。マヤから電話がかかってくる。朝子は「私は戻らない、亮平に伝えて」と告げる。マヤは朝子に対して絶交を宣言し、通話が切れる。朝子はスマートフォンを窓から放り投げる。朝子は麦に「会いたかった」告げ、「今までずっと長い夢を見ていたような気がすると」と呟き、眠りにつく。

朝子が目を覚ますと、車は海沿いの防波堤付近に停まっている。海を見るため車を降りる2人。すると突然、朝子は「帰らなきゃ」と呟き、麦の元を去る。

その頃東京では、耕介とマヤが亮平の元を訪れ、大阪行きを見送ろうとしていた。重い空気が3人を包んでいる。亮平が車を発進させると、マヤは泣きながら追いかけ、脱力したように膝をつく。朝子の行動が与えた周囲へのダメージは計り知れないのだった。

亮平は朝子と暮らすため、淀川沿いに一軒家を購入していた。朝子が家の近くで歩いていると、亮平が現れる。亮平は朝子の裏切りを非難し、「猫は捨てた」と告げて、朝子を締め出す。朝子はジンタンの捜索に取り掛かるが、中々見つからない。

朝子は久しぶりに岡崎の家を訪れる。岡崎は難病を患い、寝たきりとなっていた。朝子は岡崎とその母に自身の過ちを告白。2人に励ましの言葉をもらうと、再び飼い猫を探すために、辺りを練り歩く。亮平はそんな朝子を見かね、「無駄なことをするな」と言い放ち、朝子の前から去ろうとする。

朝子は亮平を追いかけ、亮平に心から謝罪し、「一緒にいたい」と告げる。亮平は自宅に入ると、ジンタンを抱きかかえて戻ってくる。ジンタンを朝子に渡すと、再び家の中に入って出てこない。朝子がドアノブを回すと、家の鍵は閉まっていない。亮平は2階の窓から川を見下ろしている。朝子は亮平に寄り添う。

「俺はお前のことを一生信じない」と告げる亮平に対し、「うん」と返事する朝子。亮平は「汚い川だ」と言い、朝子は同調しつつも「でも、キレイ」と呟く。

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