運命を狂わせる「老若認証」システム
かつて「黒ずくめの組織」に潜入していたFBI捜査官の赤井秀一(現在の偽名は沖矢昴)は、八丈島にいるコナンに「ユーロポールでの職員の殺害事件には、『黒ずくめの組織』の一員『ピンガ』が関わっている。パシフィック・ブイに接続されるネットワークには、フランクフルトのデータセンターが含まれている」と伝える。
コナンは、自身の保護者である毛利小五郎探偵もパシフィック・ブイに向かっていることを知り、旅行から離脱し、単身、その地に乗り込むことにする。
海洋施設「パシフィック・ブイ」は、本作で初めて登場した施設。世界各国の凄腕エンジニアが働いており、映画オリジナルキャラクターとして物語に華を添える。
パシフィック・ブイの局長・牧野洋輔は選りすぐりのエンジニアを束ねる頼れるリーダー。俳優の沢村一樹の男らしい声が何とも役柄とハマっている。声優の神谷浩史が声を務めるのはインド出身のエンジニア・エド。鷹揚な性格ながら仕事の腕は確かであり、要所で存在感を見せる。
本作に登場するゲストキャラにおいて最も重要なのは、パシフィック・ブイに勤めるエンジニア/直美・アルジェントだろう。彼女は、防犯カメラなどに映った過去の人物の画像から、現在の顔をCGで作成する技術「老若認証」を開発し、この機関の発展に貢献した人物である。
しかし、彼女は「黒ずくめの組織」に拉致されることになる。「黒ずくめの組織」は、直美が開発した「老若認証」を悪用し、世に出回っている組織の犯行現場をとらえた証拠映像を抹消することを画策。そのために彼女を拉致し、システムの乗っ取りを計ろうとしたのだった。