「子供の行動で人生が変わることもある」
灰原哀のセリフに胸を打たれる
直美は、当時、人種差別的ないじめを受けており、それを救ったのが、灰原哀だった。
直美は、いじめから救ってくれた恩人である志保(灰原哀)にお礼を言うことができなかったことを根に持っており、成長して立派な科学者になると「老若認証」システムを開発。防犯カメラを通して志保を探すこと。それが開発の動機だったのだ。直美と灰原哀の隠された関係性が明らかされるシーンは涙なくしては見られない名場面。筆者は心の中で大喝采を送ってしまった。
子供の姿になってしまった灰原哀の前に、大人になった幼馴染を重要なキャラクターとして登場させるというニクい演出。今までありそうでなかった設定ではないだろうか。
潜水艦に閉じ込められた2人。灰原哀の機転で脱出をする場面では、「子供に何ができるの!?」と言う直美に対し、「子供の行動で人生が変わることもある」と返す、灰原哀のセリフも、また深い。
本来ならば18歳であるはずが、年の離れた少年探偵団たちと行動を共にしている灰原哀。そんな「中身は大人」の状態で子供の社会を生きている彼女が発するからこそ感動的なセリフになっているのだ。
20年以上に渡り絶大な人気を誇るコンテンツゆえに、親子で楽しむ方も多い本作。大人にも子供にも突き刺さるフレーズを、サラっとと入れ込むセンスは流石の一言。観ていて思わず溜息が出てしまった。