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「良いアクションとは何か?」物語性のある動きを構築。現役のアクション監督・園村健介、独占ロングインタビュー【後編】

text by 山田剛志

公開中の映画『ベイビーわるきゅーれ 2ベイビー』をはじめ、今まで30本以上の劇映画でアクション監督を務めてきた園村健介さんへの独占インタビュー。後編では、アクションを演出する上で大切にしていること、スタントマンから演出家に転身したきっかけに加え、話題を呼んだ映画『シン・仮面ライダー』のドキュメンタリーについて、お話を伺った。(取材・文:山田剛志)

「任せるから動きを付けてみて」
低予算現場での経験が演出家に転身するきっかけに

ビデオコンテのキャプション画像写真提供園村健介

―――園村さんはスタントマンからキャリアをスタートさせています。出演する側から演出する側に転身されたのにはきっかけがあったのでしょうか?

「元々僕は自分が出ることしか考えてなくて、『とにかくアクションがしたい』という一心で映画業界に入ったんです。

出る側から演出する側に転身することになったきっかけは、『サバイバル自衛隊 SO SOLDIER』(2005)という映画にスタッフとして参加した経験が大きかった。低予算にもかかわらずとにかくアクションシーンが多かったのですが、とあるシーンでアクション監督から『このパート、任せるから動きを付けてみて』と言われたんです。

初めての経験で戸惑いつつ、どうしたら面白いシーンになるだろうと試行錯誤して、一生懸命アクションを考えました。完成した作品を観た時、アクション監督でもないのに、自分の考えた動きが画面に定着しているのを目の当たりにして感動しました。

自分の動きを映像に残すよりも、自分の考えた動きを映像に残していくことの面白さに気付いたと言いますか。後者のほうが難易度は高いし、上手くできた時の充実感も上だなと思ったんです」

―――突然演出を任され、何とかやっていくうちに面白さに気付かれたのですね。

「当時のメジャー映画のシステマティックな現場ではなく、良くも悪くもカオスな低予算の現場だからこそ起こり得たチャレンジだったと思います。

あとは当時、北村龍平監督の『VERSUS』(2001)の登場を機に、殺陣師さんを使った伝統的なシステムとは異なる形で作られたアクション映画が台頭し始めた時期でもありました。そうした時代の潮流にも背中を押され、裏方にまわることを決意しました」

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