「ただ殴って殴り返すだけだとすぐに飽きる」
ストーリーのあるアクションを作ること
―――シナリオを読む際もやはりキャラクターに注目されるのでしょうか?
「そうですね。キャラクターの性格を想像して、殴り方や戦略の立て方を考えることが多いです。場合によっては、観ている人を驚かせるために、そのキャラクターがやらなさそうな動きをあえて取り入れることもあります。
ただ殴って、それを受けて殴り返す、というやり取りだけでは、1分も経たずに観る人は飽きてしまいます。観客を飽きさせないためには、キャラクターの個性に根ざした動きを組み立てて、ストーリーのあるアクションを作っていかなければいけません」
―――以前、阪元裕吾監督にインタビューをした際、「人間の肉体がぶつかり合うアクションに、いかにして物語性を持たせるか」ということを、園村さんとよく話し合ったと仰っていました。
「そうですね。特に『ベイビーわるきゅーれ2』のラストバトルは、徒手空拳の戦いなので、役者の肉体しか頼れるものがありませんでした。
それでも、アクションに細かいイベントを盛り込み、状況を変化させていくことで、武器を使わない戦いを面白く見せ切ることができたと思っています」