問題を抱えた4人の兄妹の人生が交差する
本作の物語は、長男・夢二(日村勇紀/バナナマン)から次男・日出男(中村倫也)が宇宙人であることを告げられ、長女・思乃(伊藤沙莉)、三男・詞文(柄本時生)が困惑するシーンから始まる。
日出男は、本当は自分で言いたかったとのことだが、夢二は「俺が言う!」と、長男としての役割を見せつける。
夢二と日出男は、両親から受け継いだ焼肉店「ヤキニク サナダ」を切り盛りし、思乃はゴミ集積施設、詞文はガソリンスタンドで働いている。
ストーリーの核となるのは、この4人の兄妹愛・家族愛である。4人はそれぞれ悩みや問題を抱えている。「真田サミット」で明かされる各自の問題に兄妹一丸となって解決しようとする様が、何とも微笑ましく、心に染みる。
各々のキャラが立っていて、誰が欠けてもストーリーが成立しない。その点、本作は最高のチーム映画でもある。真田家の面々は、さながら数十年もメンバーチェンジをしていない鉄壁の布陣から成るロックバンドのようである。