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主人公が新興宗教にハマっていく…。差別問題にも切り込む

©2022 映画波紋フィルムパートナーズ

その水木が、プールで溺れ、入院してしまうが、飼っている亀の世話を頼まれた依子が水木の自宅を訪ねると、そこは「ゴミ屋敷」だった。依子が目の当たりにする独居老人の現実に、依子が思わず泣き崩れる。

一方、水木は「清掃員の部屋がゴミ屋敷なんて、笑っちゃうでしょ」と自虐的に笑う。

そして数年後、姿をくらましていた修がひょっこりと帰ってくる。既に義父は亡くなっており、拓哉は遠く九州の大学に進学し、そのまま現地で就職していた。

加えて、何よりも変わったことは、家内外の風景だ。修が手入れをしていた花壇が一掃され、小石を敷き詰めた枯山水の庭となる。また、家の中には依子が信奉する新興宗教「緑命会」の神棚や、緑命会から売りつけられたと思われる水晶玉、そして、家中に保管された「緑命水」のボトルで埋め尽くされている。

修からガンであることを告げられた依子だが、“何を今さら”という態度に徹する。そして、新興宗教には少なくない出費をしているのに、修のガン治療薬には出費を渋るのだ。

緑命会の教祖・橋本昌子(キムラ緑子)の温情ある言葉や、信者仲間の中に身を置き、心穏やかに過ごしていたのに、修の問題に加え、すっかり社会人となった息子・拓哉が帰省時に恋人を連れてくる。その女性は聴覚障害を患っている。

ひょんなことから依子は、拓哉の代わりに彼女を東京見物の案内をすることになる。そこで依子は、息子と別れるように伝えるが、既に“想定問答”を用意していた彼女に軽くあしらわれる。依子が障害者差別の考えを強く持っていることを、拓哉に見透かされていたのだ。

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