ホーム » 投稿 » 日本映画 » 配信作品 » 原作とどこが違う? 王蟲の正体とは? 映画『風の谷のナウシカ』徹底考察。 意味深なラストの真相は? 珠玉の楽曲も解説 » Page 7

久石譲による雄大なメインテーマー音楽の魅力

© 1984 Studio Ghibli・H
© 1984 Studio GhibliH

本作の音楽を手掛けるのは、久石譲。ジブリ作品のほか、北野武作品の音楽なども手掛けてきた映画音楽界の巨匠だ。

久石は、本作のサウンドトラックで50名のオーケストラを編成。さらに、ケーナやタブラ、ダルシマーといった民族楽器を取り入れ、風の谷の世界観を巧みに表現している。以下、個々の曲について述べよう。

まず、オープニングとエンディングで流れるメインテーマから。宮崎のわずかなメモの切れ端にインスピレーションを受けたという本曲は、哀愁漂うピアノから始まり、弦楽器、そして金管楽器へと展開。後のジブリ音楽のテーマソングにも通ずる雄大な音楽に仕上がっている。

冒頭、ユパたちが王蟲の群れから逃れるシーンで流れる「王蟲の暴走」は、久石らしくミニマルな旋律が印象的。ちなみに、合間に流れる王蟲の泣き声は、BOØWYとしてブレイクする前の布袋寅泰がギターを弾いているという。

また、ナウシカの音楽と言えば、「ラン、ランララ、ラン、ラン、ラン…」という「遠い日々」がおなじみだろう。子どもの声が印象的なこの曲だが、当時4歳だった久石の娘、麻衣が歌っているという。

なお、久石は当初ほとんど無名で、当初劇伴音楽は安田成美が歌うテーマソングを作曲した細野晴臣が担当予定だった。しかし、宮崎と高畑が久石のイメージアルバムを気に入ったことから当時ほとんど無名だった久石が起用されたという。

なお、細野以外には、坂本龍一や高橋悠治ら、錚々たるメンバーが候補だったとのこと。本作の音楽に久石以外の作曲家が起用されていたら…と考えてみるのも面白いかもしれない。

【関連記事】
主人公はクズ…? 声優はひどい? 映画『風立ちぬ』は美の追求とエゴイズムをテーマにした野心作。歌に込められた意味を考察
声優の神演技もすごい! 映画『君の名は。』はなぜ世界的名作? 5つの視点で徹底考察<あらすじ キャスト レビュー>
実写はひどいがアニメは? 「さらにいくつもの」との違いは? 映画『この世界の片隅に』ドラマ版比較など魅力を徹底考察

1 2 3 4 5 6 7
error: Content is protected !!