Enix Lifestyle社の監修によってリアルな肉体表現が可能に
ドラマ『サンクチュアリ -聖域-』の魅力は物語面にとどまらない。ストーリーを見事に“肉付け”するビジュアル面の演出も注目ポイントだ。
当初、本作の制作チームは、劇中でキャスト陣を本物の力士に見せるために少なくとも体重120kg以上のキャストが必要だと考えたという。
そこで制作チームが相談を持ち掛けたのは、ハリウッドで肉体改造を専門的に扱うEnix Lifestyle社。CGや特殊メイクを使って痩せた体の俳優を精悍に見せるのではなく、時間をかけて俳優の体をビルドアップし、生身の肉体を活かすアプローチである。
キャスティングの条件は「1年間をこの作品の準備に費やすことができる、体重80kg以上の男性」と設定された。
その結果、身体の大きな俳優、芸人、元アスリートなどがオーディションの対象となった。
一次オーディションで残った者は、専門医や栄養士の指導のもと、体重を増量、相撲の稽古に参加。猿将部屋のセットが建てられた東宝スタジオでは、キャスト用のジムが用意され、撮影後に体を休ませるためのプールも仮設されたという。
大幅な増量後、急に元の体重に戻すとなると、俳優の体に大きな負担をかける。そこで、クランクアップ後も、健康を損なうことのないよう、「減量プログラム」を用意するという徹底ぶり。
もし本作のメイキング映像が公開されたら話題を呼ぶのではないだろうか。
Enix Lifestyle社の監修のもと、身体に負担をかけずに、リアルな体作りを行ったことで、登場する役者たちは、本物の力士の迫力を体現。とりわけ、清の前に立ちはだかる、最強の力士・静内(住洋樹)の迫力は群を抜いている。
それもそのはず、彼は元力士・飛翔富士なのだ。彼は引退後、アメリカにて、飲食店経営を行う傍ら、レスラーとしてWWEに参戦したり、映画『ジョン・ウィック:コンセクエンス』に出演するなど幅広く活動。
本作をきっかけに日本でも彼の活躍を目にする機会は増えるかもしれない。