改変ポイント①タイムリープ後の到着地点が違う!
ヒロイン・ヒナの存在感の希薄さがより顕著に
原作では、過去へのタイムリープ後の到着地点は、彼女であるヒナの家の前である。そこでタケミチは彼女からネックレスをもらう。ちなみに、このネックレスはかつてタケミチがヒナにプレゼントしたものと同じタイプのものだ。
上記のシーンは、ヤルかヤラれるか、張りつめた緊張感が漂う原作において、緩和の役割を果たすロマンス描写ではあるのだが、映画版ではばっさりカット。タケミチがタイムリープ後に到着するのは、学校の屋上で2人で弁当を食べている場面となっている。余計なシーンは入れなかったということだろうか。
周知のとおり、ヒナは原作において、タケミチによるタイムリープのきっかけとなる重要人物だが、映画シリーズでは序盤でフィーチャーされるものの、男たちの戦いが始まってからは蚊帳の外。東卍とバルハラの一騎打ちに焦点を当てる本作では、彼女の存在感の希薄さはより顕著になっている。
思い返すと原作も、元々はタイムリープを駆使して「ヒナを助ける話」だったにもかかわらず、途中から話はシフトチェンジをするのだった。その点を鑑みても、タケミチとヒナのロマンス描写に手間をかけず、ひたすら男同士の意地のぶつかり合いにフォーカスを絞った映画版の製作陣は、原作のエッセンスを的確に掴んでいると筆者には思えた。