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「どうか心の中でツッコみながら観てほしい」

撮影:宮城夏子
撮影宮城夏子

―――確かに、絶妙にマッチしていましたね! 高梨リサ役である主演の沢口愛華さんについても、お聞きしたいです。

「プロデューサーからの推薦で決定したのですが、本当に難しい役を見事に演じていただきました。いや、リサ以外の女性陣たちがどこかぶっ飛んだキャラクターなので、主人公でありながら、1番地味な存在でもあるんです。それこそお笑いで言うところの、周囲の仲間に対するツッコミ役ではあるのですが、あまりキツいツッコミになると笑えない。本来は真剣になるべき状況ですが、真剣になりすぎると作品のトーンから離れてしまう。

最初は戸惑いもあったと思いますが、最終的にはもありながら、キツいツッコミはできない性格。かと言って、場を回すMCといった立ち位置でもない。でも、そんな中、自身の役回りをしっかりと理解してくれましたするどころか、僕が思う以上の存在感にまで仕上げていただいて。本当に感謝の気持ちしかございません」

―――この作品は、いい意味で何も考えずに観て楽しめると感じました。

「そう思っていただけたなら嬉しいです。キャラクターたいちが色々と勘違いする様子を描いてはいますが、無駄な謎解きはない見る人が自分で謎解きをするというよりは、その右往左往する様子を俯瞰的に見る内容ですから。

僕、映画ではクエンティン・タランティーノ監督の初期から『キル・ビル』くらいまでの作品に、結構、影響を受けているんです。ちょっとバカげた犯罪もの。大笑いするのではなく、心の中で『アホか!』とツッコミたくなるような感じのだから、今作も観に来たみなさんに声に出さずとも、どうか心の中でツッコみながら観てほしいですね(笑)」

(文・ZAKKY)

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